4スト船外機豆知識

4ストローク船外機のあまり知られていない実態や裏話を書いてみました。

2ストと実際どう違うのか?
 

 大型船外機の4ストで最初に出たのがBF130でしたが、発表時、重量が230Kと聞いて販売店の感想は沈むんじゃないの?と言うほどヒドイ批評でした。勿論大きさも当時の2ストV6の200PSクラスで、重量で比べると非力(当たり前ですが・・)だとも・・

 しかし、その静かさと4ストプラスインジェクションの信頼性には大きな期待を寄せたのではなかったでしょうか? 燃費はキャブの2ストの巡航で半分(2000〜4000RPM)全開で7割とその頃発表されましたが、現在のBF135・150はさらに2割程度いいらしいので昔の半分で動くと言ってもいいでしょう。勿論 最近は改良されパワフルになっております。

従来型2ストロークエンジンのアイドリング時の燃料消費量はなんと4ストの5倍から10倍になるって聞くとびっくりしますよね。 実際にレンタルボートのお店の話では一日20Lから5Lまで使用量が減ったと大絶賛!最近流行りだしたレイクトローリング使用でやや調子の悪い2スト20PSから新品のホンダのBF20Dに交換したのですから、単純に比較は出来ませんがそういうことも充分有り得るという事です。

レイクトローリングで重視されるのがトローリング速度で海坊主14ではほぼ3Km/Hを実現しています。勿論、全く安定しています。2ストでは5K程度になるらしく、それでも長時間は維持出来ず、補機を使う事もあったようです。そう考えると安心と共にずいぶん安く付くともいえますよね。

 

車のエンジンなのか?
  中型から大型は殆ど自動車用のエンジンの部品を流用してコストダウンしています。

 ホンダでいうと25・30は軽自動車の660cc、75・90PSはフィットの1500cc、135・150PSはUSアコードの2200cc、175〜225PSはUSオデッセイ日本名ラグレートの3500cc。因みにBF2は耕運機F220の流用です。

とはいえ実は殆どの部品が違うのですが、高価なクランク、ロッド、ヘッドの多くの部品は流用でき、4輪の台数は何桁も違うので大幅に安くなります。船外機最強のY社の4スト化が遅れたのにも四輪部門を持たなかった背景が有るからではないでしょうか。

 そうすると、モデルチェンジも4輪のベースエンジンと同周期になる事は普通に考えられます。ベースエンジンはコンパクト化と低燃費化されコンピューターも当然賢くなりますので少々安いからといって旧型を買うのは昔と違って得策とは云えなくなっています。

複雑だが大丈夫か?
 

 ホンダのVTECやスズキのVVTも4輪の技術です。講習の時、切り替えがそんなに頻繁に行われて故障しないかと心配した方が居られましたが、2輪4輪のように頻繁には切り替えないので全く心配要りません。

 四輪などはスロットル全開で何時間も運転する事は有りませんので、耐久性を考えて、マリンエンジンはベースエンジンよりも出力が控えめになっております。

 ただ、販売店はかなり負担が大きくなります。故障時には機械的な故障でない限り、目で見ても解りませんし、コンピューターの自己診断などが頼りになります。2スト全盛期なら普通の工具と勘だけでエンジンは直りましたが(極端かな・・)今はコンピューターが触れないとちょっと無理かも知れません。 講習会も昔みたいな製品知識の講習会よりも、実際のエンジンをバラバラにするような高度な講習会になってきております。

 でも実際はコンピューターの故障やエンジン自体の故障は少ないです。 一昔まえの自動車用のECUのコンピューターは室内に有って水がかかったら絶対ダメでしたが、最近の船外機のコンピューターは樹脂でモールドされ防水カプラーで繋がってます。水がかかったくらいじゃ平気そうです。自動車もエンジンの防水性能を上げてボディやシャーシの軽量化を進めてるそうです。

 

今後どうなっていく?  
 インジェクション搭載になって行くのは間違いないでしょう。キャブもオートチョークになってずいぶん楽になりましたが、暖気時間のダルさはインジェクションとは比べ物にはなりません。ただそれによって高価になっていくのは抑えて欲しい所ですよね。

 さらに低燃費を競うようになってくると思います。軽量コンパクトになり低燃費技術をコンピューターでも実現していくでしょう。

 たとえばホンダのBF150から付いたリーンバーン制御は4輪以上に広範囲で希薄燃焼を実現し、常用使用の殆どの回転は低燃費運転しています。 

 BF90からの新機構ブラストは、積極的に理想燃焼に近くする機構で、他社1600ccクラスをしのぐほどパワフルです。以前のキャブタイプから比べるとその差歴然です。発表 間近の新型BF40・50もブラストを搭載しています。

これからも、低燃費でパワフルにモデルチェンジごとに確実に進化していくことでしょう。

最後に一言。
 

 船外機や他の機械でもネットによってずいぶん楽に買える様になりました。2PSの普及などはまさにネットがなければ考えられない盛況振りです。でも現実はバーチャルでは有りません。当社も常に心がけておりますが、気軽に相談できる販売店は必要でしょう。

 50PSオーバーのリモコン船外機は積み替えにはかなりの知識と道具が必要になります。やってみた事がない人はかなりのリスクを伴いますので気をつけてくださいね。

 ネットで購入する場合、きちんと保証書は作ってもらいましょう。船外機の場合、メーカー保障など付いていたって部品の供給が約束されるだけです。メーカーのお客様相談室に相談しても、メーカーが直接修理するわけでもありません。具体的には近くの販売店を紹介されるわけですが、いくら義務だと言っても他店購入の商品を喜んでクレーム処理する店は多くはないでしょうし、事実”一切やらないよ”と言う販売店もあると思います。

 一円でも安くと考えるのがネットで購入する時の楽しみでもありますが、後で自分が悪くもないのに嫌な思いをするのも嫌でしょう。メーカーの代理店なら、会議で顔を合わすことも多く、ある程度ネットワーク出来てますのでその点ではお勧めいたします。メーカーの代理店リストに載っております。

 保証書とかお客様カードに未記入の場合、リコールなどの情報も送られては来ませんので必ずメーカーに届けておきましょう。

 

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